糖尿病でもインプラント治療を受けることは可能ですか?
糖尿病は血液中の糖が増えてしまう病気です。
体のエネルギー源である糖は、インスリンにより細胞に取り込まれます。
血液中の糖(ブドウ糖やアミノ酸)は、筋肉や細胞にたどり着いてもインスリンが働かないと細胞に取り込まれず血液中にあふれます。血糖の濃度が高いまま放置されると全身のエネルギーが不足して障害が出てきます。
インスリンが足りなかったり、きちんと働いていないと食べ物の栄養を体内に取り込むことが出来なくなります。
・細胞のエネルギー不足により血管が弱くなる
・組織が酸欠状態になる
・細菌と戦う白血球の状態が悪くなる
・骨の代謝が悪くなる
このような状態になり治癒力の低下や感染症に対する抵抗力が減少してきます。
血管の中でヘモグロビンがブドウ糖と結合したものの値をHbA1cと言います。インプラント治療を受けるにはHbA1c7.0未満である事が目安となり、
内科的にコントロールされていれば受けることができますが、内科の先生との相談が必要になる事もあります。
コントロールされていない場合、傷の治りが悪い、口の中の細菌の感染に対する抵抗力が弱くなります。
ですので、インプラントを植えても予後が悪かったり、インプラント周囲炎というインプラントの周りの骨が感染してしまったりする事があるのです。
糖尿病がインプラント治療に与える影響
①唾液の分泌が減少し、口内が乾燥しやすくなる。
唾液が減る事により抗菌作用が低下し、細菌の繁殖が促進する。
②傷の治りが悪くなる。
糖尿病は血液の病気なので、血管がダメージを受けて血流が悪くなる。
傷の修復に必要な栄養や酸素が届きにくくなるので、傷の治りが悪くなる。
③骨の吸収が進みやすい
インプラントが虫歯になることはないですが、周りの骨が減ってしまいインプラントがグラグラになり抜けてしまう。
そこで重要なのは血糖管理と口腔ケアです。
口腔ケアでは、ご自身でのプラークコントロールと検診が大切になります。定期的に来院していただきブラッシング指導、レントゲン撮影、噛み合わせのチェック、クリーニングなどを行います。口腔内の状態によりメンテナンス間隔は異なります。
分からないことがあればぜひお問い合わせ下さい。
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