妊娠中の歯科治療について

投稿日:2021年8月4日

カテゴリ:スタッフブログ

暑さも益々厳しくなってきました。こまめに水分補給をして熱中症にならないように気をつけて毎日をお過ごしくださいませ。

さて、妊娠中の歯の治療はどの程度までやってよいのかお母さんになる方はとても気になりますよね。
日本歯科大学附属病院様が丁寧に説明してくださっているので抜粋させていただきました。
是非ご参照くださいませ。

Q.妊娠期の歯の治療は可能でしょうか?

A.一般的には、安定期(16週~)の歯の治療は可能です。
その他の時期でも、お母さんの体の状態や治療内容によっては可能です。歯科を受診する前に、かかりつけの産婦人科の先生に相談しましょう。さらに、歯科を受診する際に、妊娠していること、何週目なのか、お母さんの体の健康状態、産婦人科の先生の意見等を伝えてください。

Q.つわりがひどくて歯が磨けません。口の中がねばねばして気持ち悪いし、歯肉が腫れて痛みます。出血もあります。どうしたらいいですか?

A.つわりで歯が磨けないときには無理をせず、食後すぐにうがいをして食べかすを取り除くなど出来ることから始めましょう。
女性ホルモンの変化により、つわりにより歯が磨けないことや食事を小分けにするなどお口の中が汚れがちになることがあります。唾液の量が減ったり、口の中が酸性になりやすいことなど妊娠による変化から、虫歯、歯周病や知覚過敏になりやすくなります。
つわりで歯が磨けないときには無理をせず、食後すぐにうがいをして食べかすを取り除くなど出来ることから始めましょう。歯を食後すぐに磨くことにこだわらず、体調のよいときに磨くように心がけましょう。
歯肉の炎症については、口の中を清潔に保つことが何よりも大切になります。つわりが治まってから、歯ブラシでは取れない硬くなった汚れをお掃除するために歯科を受診してはいかがでしょうか。ただ、痛みや腫れを伴う際には、早めに歯科を受診しましょう。

Q.エックス線撮影は大丈夫ですか?

A.歯科治療でおこなわれるエックス線撮影の放射線量は、1年間に人体が浴びる自然放射線量と比べて微量です。
歯科用のエックス線撮影は腹部からも離れており、お腹の赤ちゃんへの放射線の影響は無視できるレベルです。さらに防護エプロンの着用で被曝量を軽減できます。ですが、エックス線撮影は必要最小限にとどめるべきでしょう。一方、エックス線撮影から得られる情報によって正しい診断、治療ができることも事実です。担当の先生とよくご相談ください。

Q.歯科治療時の麻酔の影響はありますか?

A.歯科治療で使用される局所麻酔は、おもに2%リドカイン製剤(オーラ注®)です。
妊娠中にこの局所麻酔を投与してもお腹の赤ちゃんへの危険性はほとんどないことが報告されています。疼痛によるストレスを考えると、安定期(16週~)であれば局所麻酔は使用した方がよいでしょう。

Q.歯科治療に恐怖心があります。笑気ガスを使った治療はできますか?

A.笑気ガスは、歯科治療時の恐怖や不快感を軽減する精神鎮静法の一種です。
低濃度の笑気ガスと酸素を混合して吸入することによって、意識を失わずにリラックスした状態になります。ですが、妊娠初期(15週まで)には笑気ガスによる催奇形作用の報告があるため使用しません。笑気ガスを使用しても歯科治療中の局所の痛みまでは除去できませんから、局所麻酔は併用することになります。

Q.歯の痛みがひどいのですが、痛み止めや化膿止めを飲むことに心配があります。大丈夫でしょうか?

A.基本的には妊娠中は薬を内服しない方向で考えます。
ですが、薬を使用しないことでお母さんの体に悪い影響があると考えられる場合には、お腹の赤ちゃんへの影響が少ない痛み止めや化膿止めの薬を必要最小限処方することがあります。

Q.妊娠中に抜歯をしても大丈夫ですか?

A.安定期(16週~)であれば処置は可能です。
治療時には局所麻酔を使用し、抜歯後は痛み止めや化膿止めを処方しますが、お腹の赤ちゃんへの影響が少ない薬を使用します(各Q&A参照)。逆に治療をしないことで、感染や慢性的な疼痛が出る方が妊娠に与える影響は大きいと考えられます。

Q.根の治療に使う薬のお腹の赤ちゃんへの影響はありますか?

A.お腹の赤ちゃんにはもちろんのことお母さんの体にも影響はないと考えられます。
根の治療時には、次回の治療までの間に清掃した根の中が汚染されないように、ごく少量の薬液を根の中に置いてきます。そして、その上を通常2種類のセメントで蓋をします。二重に蓋をすることで、口の中に薬液が漏れ出すことはありません。揮発した薬液は根の先から体内へ移行する可能性が考えられますが、その量はごく微量であるため、お腹の赤ちゃんにはもちろんのことお母さんの体にも影響はないと考えられます。

Q.虫歯に詰め物をしたいのですが、お腹の赤ちゃんへの影響はないですか?

A.歯に詰める白い(歯の色)ものを「コンポジットレジン」といいます。
数年前、コンポジットレジンにはビスフェノールAと言う環境ホルモンが含まれているから危険であるという話がありました。しかし現在では、研究により人体に健康リスクを生じる量ではないということがわかっています。
2008年7月、欧州食品安全機関は「母親が体内でビスフェノールAを急速に代謝し排出するため胎児の曝露は無視できること、また乳児も1mg/kg体重/日以下の用量では同様に代謝・排出できることから、耐容一日摂取量(0.05mg/kg体重/日)はお腹の赤ちゃんや乳幼児を含む消費者に対して十分な安全域を確保している」と発表しています(厚生労働省HPより)

妊娠中の歯の治療もご不安なくできるよう、のぶデンタルクリニックも努めてまいります。お気軽にお問い合わせくださいませ。
ご予約お待ちいたしております。

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